生物多様性の保全

基本的な考え⽅

2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。この枠組みでは、2030年までに自然を回復軌道に乗せることを目指し、生物多様性の損失を止め、反転させるための23の目標が設定されています。
当社は、事業活動を支える自然資本の維持・回復に向けて、生物多様性の保全を重要な課題の1つと認識しています。特に、生物多様性の損失を防ぐためには、絶滅危惧種およびその生息環境の保全が重要であると考えています。
この考えに基づき、2025年度より生物多様性保全活動方針を定め、各拠点の地域特性に応じた保全活動を推進しています。

<生物多様性保全活動方針>

拠点地域の生物多様性保全活動に参加し、地域の絶滅危惧種および生息地を保全する

IBAT分析

生物多様性評価ツールであるIBATを活用し、生産拠点の位置情報をもとに、絶滅危惧種および保全地域の状況を分析しました。その結果、生産拠点と自然環境との関係性を把握し、今後の保全活動やリスク管理の検討に役立てています。

グローバル生産拠点周辺の絶滅危惧種評価

項目 北米 ヨーロッパ 東南アジア 東アジア
(日本を除く)
日本
絶滅危惧種数
(CR,EN,VU)
26 258 620 772 483
準絶滅危惧種数
(NT)
26 159 264 268 334
その他
(LC,DD)
882 737 1,715 5,081 7,584
保全区域数 12 736 49 163 655
KBA※1数 0 14 5 17 35
IUCNランク
CR : 深刻な危機
EN : 危機
VU : 危急
NT : 準絶滅危惧
LC : 低懸念
DD : データ不足

※1 KBA : Key Biodiversity Area(生物多様性重要地域)

「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画

当社は、2024年7月に「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画しました。
「30by30」とは、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)ことを目指し、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効率的に保全しようとする目標です。
「生物多様性のための30by30アライアンス」は、30by30目標達成に向け、国立公園などの拡充とともに、企業・自治体・NPOなどによって保全された土地をOECMs※2へ登録し、その保全を促進すると共に、それらの取り組みを積極的に発信していくことを目的として発足されました。
当社はこの主旨に賛同し、自らの取り組みを通じて、ネイチャーポジティブの達成に貢献します。

※2 OECMs (Other Effective area based Conservation Measures):保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のこと。

環境保全活動事例

大崎耕土の保全活動

当社は、TNFD提言に沿った自然関連リスクの評価の一環として、WWF Biodiversity Risk Filterを活用した分析を実施しています。その結果、宮城県に所在する古川第2工場および涌谷工場は、世界農業遺産に認定されている「大崎耕土」の周辺に位置しており、生物多様性への影響に関する評判リスクが比較的高い地域であることを確認しました。
当社は、生物多様性保全活動方針で掲げる「地域の絶滅危惧種およびその生息地の保全」の考え方に基づき、大崎市と協議を行い、世界農業遺産「大崎耕土」の保全活動に参加しました。
大崎耕土は、豊かな湿地環境や水田生態系を有し、多様な動植物を育む貴重な地域です。当社は保全活動への参加を通じて、地域の自然環境の維持・保全に貢献するとともに、生物多様性に対する従業員の理解向上にも取り組んでいます。

また、本活動を契機として、当社は「おおさきGIAHS・SDGsパートナー」に登録し、行政や地域団体と連携しながら、地域の持続可能な発展と生物多様性保全に貢献する活動を推進しています。

大崎耕土とは

大崎耕土は、宮城県北西部に広がる農業地域で、洪水や渇水と向き合いながら受け継がれてきた水管理システムと農業が評価され、2017年に国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。水田やため池、河川などが一体となった豊かな農村景観を形成し、多様な生物の生息地となっています。

当社では、生物多様性保全活動方針に基づき、この他にも国内外の拠点において地域特性に応じた環境保全活動を実施しています。絶滅危惧種の保全や生息地の維持・回復に向けた活動事例については、以下のページをご覧ください。

環境保全活動事例はこちら