個の能力を発揮できる風土醸成(職場環境)
基本的な考え⽅
当社は「多様な人財が互いの個性を尊重し合い、自らの強みを活かして成長・活躍できる環境の整備」が、企業の持続的成長の基盤であると位置付けています。社員一人ひとりが企業理念や企業ビジョンに共感し、組織との信頼関係の中で自律的に行動できるよう、「エンゲージメントの向上」と「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の深化」を取り組みの柱とし、制度・職場風土の両面から改革を推進します。
挑戦を促す社員制度
当社では、社員一人ひとりが主体的に価値を創造できる組織づくりを目指し、成長と挑戦を後押しする企業風土の醸成に取り組んでいます。その中核となる人事制度として、役割型等級制度および挑戦的な行動・成果を重視する人事考課制度を導入しています。
この制度は、管理職から一般社員までを対象に、個々の役割に応じた期待値を明確化し、公平かつ納得感のある評価を実現すること、また優秀な人材の早期抜擢や多様なキャリア形成を支援する仕組みです。
制度の導入以降も、継続的に運用状況を検証・改善し、社員の挑戦を後押しする環境づくりに努めています。今後も、変化する社会や働き方に柔軟に対応しながら、社員とともに成長する組織を目指します。
企業ビジョンと組織 · 個人の役割とのつながりの明確化
経営層による理念・ビジョンに関する対話
全社員がいきいきと主体的に行動し共に成長できる会社にしたいという経営層の想いの下、カルチャー改革を推進しています。この一環として対話型のコミュニケーションを重視し、タウンホールミーティングを開催しています。社員は経営陣の考えをダイレクトに聞くことができ、経営層にとっては社員の考えや現場課題を具体的に知る事のできる重要な機会となっています。

タウンホールミーティングの様子
個人の主体性・挑戦を促す環境整備
社内公募の積極活用
当社では、社員の意欲と能力を最大限に引き出すことを重視しています。そのために社内公募制度を導入し、挑戦できる職場環境作りや、部門の垣根を越えた適材適所の人財配置を促進しています。
2024年度には社内公募を通じて、41名の社員が研修への参加や新たな業務にマッチングしており、自らが描くキャリアの実現に向けた機会を獲得しています。また、再雇用者や管理職経験者を対象とした公募も実施し、多様なバックグラウンドを持つ人財が自らの可能性に挑戦できる風土づくりを促進しています。
キャリア相談室の設置
社員が自らのキャリアを主体的に考え、次のステップへと踏み出せる環境づくりを目指し、2024年に「キャリア相談室」を設置しました。国家資格を有するキャリアコンサルタントの社員が相談員を務め、キャリアプランの設計、スキル・能力開発、職場環境の改善、業務上の役割・職務に関する悩みなど、幅広いテーマに対応しています。
エンゲージメント向上への取り組み
これまで、従業員代表組織であるアルプスアルパイン労働委員会が3年に1度総合意識調査を実施し、労使で問題解決に努めてきました。2024年度からは、会社主導でエンゲージメントサーベイを国内全社員 を対象に毎年実施しています。2024年6月の初回調査では、「労働条件」「目標設定」「各種制度」などの項目が好スコアとなり、かつ人の魅力項目との結び付きも強く、当社の特長を表す結果となりました。一方、業務関連の項目に対して「企業理念」の影響度が弱く、業務と結び付いていないという課題が明確になりました。この結果を受けて、業務計画作成や目標設定などにおいて、一人ひとりが主体的に考え「職の魅力」が高まるよう、経営方針を分かりやすく社員に伝えることや上長との対話活動を重視した取り組みを進めています。また、ビジョン2035策定プロジェクトへの社員の参画や、社長と一般社員が直接話をするタウンホールミーティングを継続的に開催することで、次回のエンゲージメントサーベイ結果の良化を目指します。なお、ビジョン2035策定プロジェクトやタウンホールミーティングはグローバル各拠点も巻き込んで活動しています。
2024年度エンゲージメントサーベイ結果
トピックス
IPPOプロジェクト
新しいモノ/コトを創出する文化を創り、アイデアを実現する空間
ベンチャーメンタリティを促進する活動として、社員のチャレンジングな取り組みを社内ポータルで紹介しています。その中の一つであるIPPOプロジェクトは、社内の「未来アイディアコンテスト」の⼊賞テーマから⽣まれた、「新しいモノ/コトを創出する⽂化を創る」ための取り組みです。
“IPPO(イッポ)”という名前には、「創造の最初の⼀歩をここから踏み出そう」という意味が込められており、壁やベンチ、テーブル等の多くは社員のDIYにより製作されました。この空間で、様々なイベントやコミュニケーションが⾏われ、新たなアイデアが創出されています。



労使関係
当社は、従業員代表組織である「アルプスアルパイン労働委員会」との間で相互の信頼と理解に基づき、労使対等を基軸に双⽅が誠意を持って、賃⾦基準の確認や賞与、社員制度、労働時間の改善を含む働き⽅等、全ての課題を徹底した話し合いで解決し、調和のある発展を⽬指しています。また、労働委員会は、経営関連会議を傍聴したり、定期的に業況に関して経営層と情報交換を行うなど、経営に対するモニタリングを⾏っています。
多様な働き方を可能にする制度
当社では、社員の働く姿の指針として労使で「働き方ビジョン」を策定し、社員の心身の健康維持と向上、労働時間に関する各国の法令、慣行等の遵守による安全で快適な職場環境の形成に努めています。
働き方ビジョン ~ Smart Work × Smile Life ~
- <目的>
- 個人の成長・自己実現と優秀な人財確保による永続的な事業発展
- <目指す方向性>
- 一人ひとりのワークとライフを皆で充実させていく姿を目指します
- <目指す環境>
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- グローバル企業としての柔軟な働き方ができる環境 ・チャレンジを後押しする風土
- 成長が実感できる環境 ・安心して働ける職場・強みが活かせる環境
- <詳細な目指す姿>
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- 業務の変化に対応している
- 自らのワーク/ライフキャリアプランに合わせ、働き方や勤務地をある程度選択して働いている
- 柔軟かつ効率的な働き方や生産性向上により、やりたいことを行う時間が確保できている
- 成長、活躍の機会が増加している
- 社員のスキル/ニーズと業務のマッチングが更に進んでいる
- 多様な働き方や価値観を認め合っている
仕事とプライベートの両立支援
育児、介護、看護などの個人事情を抱える社員がより柔軟に働けるよう、2024年3月に社員制度の改定を行いました。休暇制度の利便性を高めるとともに、在宅勤務、短時間勤務、隔日勤務など就労形態を拡充することで、仕事とプライベートの両立を支援しています。
働き方に係る主な制度・施策
目的 | 制度・施策 | 内容 |
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柔軟な働き⽅ | テレワーク勤務制度 | 所属事業所から離れて、会社が認めた情報通信機器を⽤いて⾏う勤務を可能とする制度 |
在宅勤務制度 | 家族の介護・本⼈の傷病事由により、出社が困難な場合に在宅での勤務を可能とする制度 | |
週4日勤務制度 | 家族の介護・本人の傷病事由により、週4日勤務を可能とする制度 | |
フリードレス | 闊達なコミュニケーションの促進と⾃律的に働く⾵⼟の醸成のため服装⾃由化を実施(⼀部拠点) | |
育児/介護支援 | 短時間勤務制度(フレックスタイム制勤務と併用可) | 育児・介護事由、または申請許可に基づく希望者の短時間での勤務を認める制度 |
転勤猶予制度 | 育児・介護事由で⼀定期間勤務地域を限定する制度 | |
キャリアの向上 | 職群転換制度 | キャリア形成・向上のため、異なる職群への挑戦を可能とする制度 |
二重就業制限の緩和 | キャリア形成やスキルアップまたは、社外で得た新しい知⾒等を社内に活かす目的で、⼆重就業を認める制度 | |
資格取得奨励金制度 | 専⾨性を⾼め、社外でも通⽤する人財の育成を目的に、会社が対象として定めた公的資格取得の奨励⾦を⽀給する制度 | |
ワークライフバランスの向上 | 時間単位の有休 | 1年について5日分を限度として、1時間単位で有休を取得できる制度 |
新幹線通勤(仙台地区) | 全国的にも魅⼒的な居住地として認知されている仙台からの通勤を容易にする制度 |
年齢に捉われない活躍環境の実現
当社では、希望する社員が定年後も働き続けられるよう、制度の拡充に努めています。2024年度には、65歳以上の社員が活躍できる選択肢をさらに広げ、再雇用の雇用期限を65歳から最大70歳までに延長しました。
2025年9月時点では、2021年度に導入された再就業制度による業務委託契約者28名を含め、 計60名の65歳を超えた社員が活躍しています。また、処遇改善として、社員と同額の基本給改定(ベースアップ)や、転勤に伴う諸費手当の拡充も行いました。ベテラン社員が長年培った知識や経験、スキルを今後も存分に発揮できるよう、制度の運用や見直しを随時進めています。
さらに、定年後も自分らしく活き活きと働く上でのヒントを得る機会として、社内イベント「DE&I EXPO」においていて、定年再雇用で活躍している社員とのパネルディスカッションを実施しました。
ハラスメント防⽌
職場におけるハラスメント・虐待、差別を防⽌するために、毎年実施している「コンプライアンス・CSR研修(管理職を含む全社員を対象)」にハラスメント防⽌の内容を含め、モラルある職場作りのための研修を実施しています。また、新任管理職を対象とした研修においてもハラスメント防⽌の教育を⾏っています。
(2024年度 新任管理職研修受講対象者55名、受講率100%)