働きがいの醸成

基本的な考え⽅

会社が持続的な成長を続けていくためには、社員の主体性の発揮が重要です。社員一人ひとりが、自分自身のキャリアに向き合い、将来の目標を設定し、それに向けて自己研鑽を行ったり、自身の特長や強みを最大限に発揮しようとすることで、自己実現や成果の最大化につながっていきます。社員が成果創出・組織貢献などの経験を通じて、働きがいを追究できるよう、風土醸成や挑戦を支援する取り組みを推進します。

挑戦を促す社員制度

当社では社員のより主体的な価値創造への取り組みを促すべく、成長や挑戦を促す企業風土づくりに取り組んでいます。この一環となる人事制度の改定として、2022年度には管理職・リーダー層に対し役割型等級制度を導入し、2023年度からは一般社員にも対象を広げました。また人事考課も、より公平で且つ優秀人財の積極活用・早期抜擢に繋がるものとなるよう、役割に応じた挑戦的行動や活動実績を重視する方式へ転換しました。これらの制度は導入後も継続的に見直しを行い、改善と定着を図っています。

制度改定のポイント

  • 一定階層以上の社員に役割型等級制度を適用
  • 役職退任者の役割を再設定し、専門性の発揮を促進
  • 社員の挑戦的行動を認め、評価する考課制度への転換
図

挑戦を促す風土の醸成

タウンホールミーティングの開催

全社員がいきいきと主体的に行動し共に成長できる会社にしたいという経営層の想いの下、カルチャー改革を推進しています。この一環として対話型のコミュニケーションを重視し、タウンホールミーティングを開催しています。社員は経営陣の考えをダイレクトに聞くことができ、経営層にとっては社員の考えや現場課題を具体的に知る事のできる重要な機会となっています。

タウンホールミーティングの様子

キャリア相談室の設置

社員のキャリアに関する悩みや困りごとを解決し、次の挑戦へ進むための支援を目的に、キャリア相談室を新設しました。キャリアコンサルタントの国家資格を有する社員が相談員を担い、キャリアプランや能力開発、職場環境の改善や業務上の役割・職務に関する悩みなど、多岐にわたる相談に対応しています。

エンゲージメント向上への取り組み

従業員代表組織であるアルプスアルパイン労働委員会が、3年に1度、国内の全社員を対象に総合意識調査を実施し、その結果を基に労使間での意見交換を行い問題解決に取り組んでいます。
2023年度の調査では、社員の自律的学習を支援する制度やコミュニケーション活性化の施策が、会社の魅力向上に寄与したと評価されました。一方で、社員が経営戦略をより深く理解するには、会社として更なる取り組みが必要であることも明らかになりました。この調査結果を踏まえ、2024年度は短期経営計画の展開に際し、会社方針と社員個人の業務目標をより明確に連携させるよう、丁寧な説明を行っています。
また2023年度には、一部の部門を対象にエンゲージメントサーベイを試行し、この結果を受けて当社におけるエンゲージメントの定義の明確化と、測定ツールの再選定を行いました。2024年度からは対象範囲を国内全社員に広げ、新たなエンゲージメントサーベイを実施する予定です。得られたデータは、組織が追究するありたい組織づくりや企業価値の向上に向けた次なる行動計画の策定に活用されます。

トピックス

IPPOプロジェクト
新しいモノ/コトを創出する文化を創り、アイデアを実現する空間

ベンチャーメンタリティを促進する活動として、社員のチャレンジングな取り組みを社内ポータルで紹介しています。その中の一つであるIPPOプロジェクトは、社内の「未来アイディアコンテスト」の⼊賞テーマから⽣まれた、「新しいモノ/コトを創出する⽂化を創る」ための取り組みです。
“IPPO(イッポ)”という名前には、「創造の最初の⼀歩をここから踏み出そう」という意味が込められており、壁やベンチ、テーブル等の多くは社員のDIYにより製作されました。この空間で、様々なイベントやコミュニケーションが⾏われ、新たなアイデアが創出されています。

IPPOプロジェクト IPPO_DIY IPPO_空間

労使関係

当社は、従業員代表組織である「アルプスアルパイン労働委員会」との間で相互の信頼と理解に基づき、労使対等を基軸に双⽅が誠意を持って、賃⾦基準の確認や賞与、社員制度、労働時間の改善を含む働き⽅等、全ての課題を徹底した話し合いで解決し、調和のある発展を⽬指しています。また、労働委員会は、経営関連会議を傍聴したり、定期的に業況に関して経営層と情報交換を行うなど、経営に対するモニタリングを⾏っています。

多様な働き方を可能にする制度

当社では、社員の働く姿の指針として労使で「働き方ビジョン」を策定し、社員の心身の健康維持と向上、労働時間に関する各国の法令、慣行等の遵守による安全で快適な職場環境の形成に努めています。

働き方ビジョン ~ Smart Work × Smile Life ~

<目的>
個人の成長・自己実現と優秀な人財確保による永続的な事業発展
<目指す方向性>
一人ひとりのワークとライフを皆で充実させていく姿を目指します
<目指す環境>
  • グローバル企業としての柔軟な働き方ができる環境 ・チャレンジを後押しする風土
  • 成長が実感できる環境 ・安心して働ける職場・強みが活かせる環境
<詳細な目指す姿>
  • 業務の変化に対応している
  • 自らのワーク/ライフキャリアプランに合わせ、働き方や勤務地をある程度選択して働いている
  • 柔軟かつ効率的な働き方や生産性向上により、やりたいことを行う時間が確保できている
  • 成長、活躍の機会が増加している
  • 社員のスキル/ニーズと業務のマッチングが更に進んでいる
  • 多様な働き方や価値観を認め合っている

仕事とプライベートの両立支援

育児、介護、看護などの個人事情を抱える社員がより柔軟に働けるよう、2024年3月に社員制度の改定を行いました。休暇制度の利便性を高めるとともに、在宅勤務、短時間勤務、隔日勤務など就労形態を拡充することで、仕事とプライベートの両立を支援しています。

働き方に係る主な制度・施策

目的 制度・施策 内容
柔軟な働き⽅ テレワーク勤務制度 所属事業所から離れて、会社が認めた情報通信機器を⽤いて⾏う勤務を可能とする制度
在宅勤務制度 家族の介護・本⼈の傷病事由により、出社が困難な場合に在宅での勤務を可能とする制度
フリードレス 闊達なコミュニケーションの促進と⾃律的に働く⾵⼟の醸成のため服装⾃由化を実施 (⼀部拠点)
育児/介護支援 短時間勤務制度(フレックスタイム制勤務と併用可) 育児・介護事由、または申請許可に基づく希望者の短時間での勤務を認める制度
転勤猶予制度 育児・介護事由で⼀定期間勤務地域を限定する制度
キャリアの向上 職群転換制度 キャリア形成・向上のため、異なる職群への挑戦を可能とする制度
二重就業制限の緩和 キャリア形成やスキルアップまたは、社外で得た新しい知⾒等を社内に活かす目的で、⼆重就業を認める制度
資格取得奨励金制度 専⾨性を⾼め、社外でも通⽤する人財の育成を目的に、会社が対象として定めた公的資格取得の奨励⾦を⽀給する制度
ワークライフバランスの向上 時間単位の有休 1年について5日分を限度として、1時間単位で有休を取得できる制度
5日連続休暇の推奨 ワークライフバランス向上および権限等の委譲による組織的生産性向上を狙いとして、5日程度の連続有休取得を推奨する施策を実施
新幹線通勤(仙台地区) 全国的にも魅⼒的な居住地として認知されている仙台からの通勤を容易にする制度

再雇用者の活躍環境整備

当社では、希望する社員が定年後も働き続けられるように再雇用制度を設けています。2023年度は、再雇用された社員がこれまでに培った知識や経験、スキルを今後も存分に発揮できるよう、成果と貢献に基づく公正な処遇を提供するための制度改定を実施しました。今後も、随時運用や制度の見直しを進めます。
また、定年後に社外で活躍しているOBの体験談や、再雇用後も知識と経験を活かして職場に貢献する方法などを紹介するベテラン社員向けのセミナーを実施し、年間170名を超える社員が出席しました。

社外で活躍するOBとの交流の様子

社外で活躍するOBとの交流の様子

ハラスメント防⽌

職場におけるハラスメント・虐待、差別を防⽌するために、毎年実施している「コンプライアンス・CSR研修(管理職を含む全社員を対象)」にハラスメント防⽌の内容を含め、モラルある職場作りのための研修を実施しています。また、新任管理職を対象とした研修においてもハラスメント防⽌の教育を⾏っています。
(2023年度 新任管理職研修受講対象者60名、受講率100%)