人財マネジメント

基本的な考え⽅

当社にて受け継がれてきた「人に賭ける」という精神をもとに、社員制度の基本理念として「人間性尊重」「自己啓発」「集団精鋭」を掲げています。これは、個人の価値観や個性を尊重するマネジメントを基盤に、企業として機会の提供などを通じて個人の自己実現を支援するものです。互いにレベルの高い仕事に挑戦し助け合うことで、成長し続ける力強い個人と組織を目指します。当社では人的資本経営の観点から課題を整理し、中期経営計画2027において、3つの重点テーマに取り組んでいます。
『人財ポートフォリオの充実』では、事業ポートフォリオや事業環境の変化に柔軟に対応できる人財の育成と最適配置を推進し、グローバルレベルでの集団精鋭化を図っています。『価値創造人財の確保・育成』では、社員一人ひとりが自身の強みを活かして組織に貢献できる人財の拡充を目指しています。『個の能力を発揮できる風土醸成』では、エンゲージメント向上やDE&Iの推進を通じて、多様な社員一人ひとりが能力を存分に発揮できる環境や職場風土を整えることで、組織成果の最大化を図っています。
こうした一連の活動を通し、価値創造に向けた⼈財戦略の実現・実行に取り組んでいます。

目指す組織の姿と課題

目指す組織の姿と課題

中期経営計画2027における主な施策とKPI

上述の課題を受けて重点施策を定めて取り組んでいます。取り組みの詳細は各ページを参照ください。

重点テーマ 主な施策 KPI 2027年度目標
人財ポートフォリオの充実
  • 人財ニーズの把握方法の見直し
  • タレントマネジメントシステムの導入
  • キャリア実現支援策の実施
  • 海外間異動の仕組み整備
付加価値創出率 130%超(連結)※1
価値創造人財の 確保・育成
  • 価値創造人財の育成研修の拡充
  • 採用発信内容/採用方法の見直し
  • インターンシップの強化
  • オンボーディング支援
人財育成費 前年度比増(単体)※2
個の能力を発揮できる風土醸成
  • 経営層による理念・ビジョンに関する対話
  • 管理職向けDE&I研修
  • ピープルマネジメント支援
  • 個人の主体性・挑戦を促す環境整備
エンゲージメント
サーベイスコア
64.5p(t単体)※2※3

※1:付加価値創出率 = 付加価値額 ÷ 労務費 - 1
※2:連結目標は活動を開始して間もないため、重要ポジションの定義・集計方法策定後に設定
※3:HR Brain社の組織診断サーベイ指標を使用

人財ポートフォリオの充実

基本的な考え⽅

アルプスアルパインの事業計画/事業戦略の策定や見直しに合わせて、組織編制を機動的に実施できるよう、海外現地法人を含めた人財情報の把握を行い、人財のポートフォリオの解像度を高めます。最適配置・事業創出人財の拡充を通じ、付加価値創出に取り組みます。

人財ポートフォリオの解像度向上

人財の質・量を充足させるために、人財データの充実化に向けた取り組みを強化しています。これまでの技術者のスキル情報や海外現地法人の幹部候補人財に限定した情報から、対象者の拡大と内容の充足を図ることで、精度の高い人財ポートフォリオを整備し、採用や配置/育成などの充実に繋げていきます。

人財ニーズの把握方法の見直し

これまでの採用ニーズの把握方法に変えて、中期的な視点、かつ事業計画に即した人財のニーズを把握するための仕組みを構築していくこと進めています。

タレントマネジメントシステムの導入

これまで一部の部門でトライアルを行っていたタレントマネジメントシステムを2025年度中に国内全部門に導入します。より充実した人財情報を一元管理するとともに、経営戦略や事業戦略と連動した人材育成に関する取り組みや、社員一人ひとりの働きがいの追求に向けた取り組みを行います。

グローバル人財活用基盤の構築

地域ごとの迅速な対応を実現する地域本部制への移行を進める中において、本社機能と海外現地法人の役割や機能の見直しに伴い、グローバル横断型による人財活用や不足するリソースを相互に補うことが必要と考えています。効果的な最適配置を可能とする人財情報の充実に加え、国を超えた異動スキームの見直しやグローバルでの人財育成の強化に取り組んでいます。

海外間異動の仕組み構築

これまで当社の海外駐在は、日本からの派遣、あるいは日本への赴任を中心とした形態が主流でした。今後は、グローバル全体での人財活用と、各地域・現地法人における人財育成をさらに進めるため、グローバル環境を活かした取り組みとして、海外拠点間での異動スキームの見直しとその拡充を図ります。

海外出張機会の創出施策

グローバル人財の育成施策の一環として、通常業務では国外での業務経験を得る機会が少ない社員を対象に、海外出張の機会を創出しています。海外訪問を通じて、現地の実情を理解し、生産性向上や業務品質向上に繋げるとともに、担当業務の拡大や自己学習の大きな動機付けとなることを期待しています。 日本からの出張に加え、現地法人の社員が日本やその他の現地法人を訪問するケースも含め、約200名以上の社員がこの施策に参加する予定です。

事業創出人財の拡充

当社の企業理念及びビジョンの実践に向けて、社会的な課題等を起点とした新たな価値や事業を創出できる人財の育成に取り組んでいます。

キャリア実現支援策の実施

業務アサインや社内外の研修では、自主応募による参加機会を拡充しています。とくに事業獲得・維持に貢献する人材育成を目的に、国内外での事業構想に関する学習機会を設け、幅広い部門からの自薦者を募って実施しています。

2024年度は、次世代リーダー14名が社会人向け大学院「事業構想大学院大学」の『事業構想プロジェクト研究』に参加し、10カ月の学修を経て研究修了証を取得しました。本研究では、社会課題の解決に資する新たな提供価値の創出を目指し、各自が1テーマを設定し、新規事業構想の立案と計画策定を通じて実践的な知識とスキルを修得しました。

事業構想大学院大学 修了式