資源循環の促進

基本的な考え⽅

アルプスアルパインの事業活動は多様な鉱物資源や水資源に依存しており、これら自然資本の持続可能な利用が事業活動の前提であると認識しています。そこで資源の枯渇を防ぎ環境負荷低減に向け、製品ライフサイクル全体を通じた「資源循環の促進」をマテリアリティと位置付けています。
製品のリサイクル性や易解体性など環境配慮設計基準を見直すとともに、自社の生産活動における資源効率の向上を通じて、循環型社会の実現に貢献することを目指します。

環境配慮製品基準策定

従来、製品設計の段階で「製品アセスメントシート」に基づき環境配慮の評価を実施してきました。しかし環境課題が深刻化する中、製品設計段階のみの評価では、環境配慮の全体最適は実現困難であるとの認識に至りました。このため、製品のライフサイクル全体の環境影響の評価を可能とする新たな「環境配慮製品基準」の策定に現在取り組んでいます。この基準を環境関連施策と有機的に連動させることで、体系的な取り組みを進めます。

製品ライフサイクル視点での環境配慮製品評価基準

調達
  • 枯渇資源使用削減
  • 再生材利用
  • 省資源化
製造
  • 消費エネルギー削減
  • 有害化学物質の排除
  • 廃棄物の削減
物流
  • 消費エネルギー削減
  • 包装資材の削減
使用
  • 消費エネルギー削減
  • 修理容易性
  • 長寿命設計
  • 製品の安全性
廃棄・
リサイクル
  • 分解容易性
  • 化学物質の表示

廃棄物削減・リサイクル促進

廃棄物の削減やリサイクル率の向上に長年取り組んできた結果、2024年度のリサイクル率(熱回収含む)は95%となり、一定の成果を上げています。今後、更に循環の質を高めるため、中期経営計画2027の重点施策を見直しました。
廃棄物の53%を占めるプラスチックと金属は、従来の熱回収から材料そのものを再利用するマテリアルリサイクルへの移行が重要であり、そのためには廃棄物の分別精度を高める必要があります。このことから、重点施策を「マテリアルリサイクル率の改善」に見直すと同時に、社員一人ひとりが資源循環に対する認識や意識を変え、実行に移していけるよう推進していきます。

今後の取り組みポイント

  • 上流工程での廃棄物削減
  • マテリアルリサイクル率の改善
2024年度
実績
2027年度
目標
2030年度
目標
2050年度
目標
廃棄物総排出量(前年度比) 連結 ±0% ▲2% ▲2% 埋め立て廃棄物ゼロ
リサイクル率 連結 95% 97%
(2025年度中に策定予定)

水資源管理

当社は主に上水を利用し、地下水依存度は低く水ストレスリスクは限定的です。生産工程で水を使用する工場も一部にとどまりますが、持続可能な資源利用の観点から、取水量削減率の目標を設定して全社活動を推進しています。2024年度は、無稼働時の純水利用削減や再生水の利用などにより8%の取水量削減を達成しました。
一方で、お取引先様の中には水資源を多く使用する企業も存在することから、2025年度より水資源管理に関するサプライヤーエンゲージメント活動を開始し、持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいきます。

今後の取り組みポイント

  • 取水量削減の推進
  • 再生水利用促進