汚染予防と化学物質管理

基本的な考え⽅

気候変動対策や資源循環、生物多様性保全などの環境課題が深刻化する中で、化学物質の適正な管理が持続可能な事業活動の前提になると考えています。特に、化学物質による環境・健康への影響や、国際的な規制強化への対応は、企業の信頼性に直結する重要なテーマです。このような認識のもと、「環境負荷低減に向けた化学物質管理の強化」を新たなマテリアリティとして特定し、ステークホルダーと連携しながら管理レベルの向上を図ることで、環境への負荷を最小限に抑え、社会から信頼される企業を目指します。

製品に含まれる化学物質の管理

化学物質の使用や取り扱いに関して、顧客の健康と環境の保全を最優先に考えています。製品含有化学物質管理において、厳格な基準と規制を遵守し、環境への悪影響や人体への潜在的なリスクを最小限に抑えるための努力をしています。
RoHS指令やREACH規則などの法規制、業界基準の最新動向を調査し、その結果を「グリーン調達基準書」に反映しています。「グリーン調達基準書」は、当社の製品含有化学物質管理基準であり、部材調達・生産・出荷の各段階で以下の取り組みを実施しています。

部材選定・調達
  • 製品設計部門が部材選定する場合、グリーン調達基準書の部材評価に基づく調査を実施し、適合する部材を選定する。
  • 取引先各社へグリーン調達基準書の遵守を依頼。
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生産
  • 部材受⼊れ時に当社要求資料による検証や蛍光X線分析装置による検査を実施。
  • 工程設計部門が工程で使用する設備や生産補助剤を選定する場合、グリーン調達基準書の部材評価に基づく調査を実施し、適合する部材を選定する。
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出荷
  • 出荷する製品に基準を超える化学物質が含有していないことを確認するため、定期的に蛍光X線分析装置による分析を実施。

環境汚染防止

当社は、事業活動に伴う大気・土壌・河川等水資源環境への影響を最小限に抑えることが、地域社会との共生と持続可能な成長の基盤であると考えています。そのため、「環境汚染防止」を重要なテーマと位置づけ、揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制、土壌・地下水の汚染防止、及び環境事故の未然防止に向けた管理の強化に取り組んでいます。

VOC排出抑制

2006年に施行された大気汚染防止法(改正)に基づき、VOCの排出抑制に継続的に取り組んでいます。特定施設の届け出や管理強化など、法令遵守を前提に、事業所ごとに排出状況の把握と対策を実施しました。
2024年度は、製造工程におけるVOC取扱量が微増しましたが、前年度とほぼ同程度に抑制しています。

土壌・地下水汚染の防止

土壌汚染および地下水汚染のリスクを最小限に抑えるため、地下埋設配管の地上化、重油貯蔵タンクの給油口周辺への防液堤の設置、漏洩センサーの導入など、様々な対策を実施してきました。これらの取り組みにより、リスクの早期検知と迅速な対応が可能となっています。
さらに、国内拠点では、地下水の下流に位置する敷地境界に揚水浄化施設を設置し、基準値を超える地下水が敷地外へ流出しないよう、適切な管理を行っています。

化学物質の使用による環境事故防止

化学物質の使用に伴う環境リスク及び安全リスクを適切に管理し、事故の未然防止に努めることが、法令遵守に留まらず、事業所や周辺地域の安全と環境保全に対する社会的責任であると認識しています。
各拠点では、化学物質の使用状況を確認するパトロールの実施や、万が一の場合に備えて「緊急事態対応計画」を作成し、計画に基づく訓練を定期的に実施しています。
さらに、工場ごとに「環境リスクマップ」を作成し、定期的な更新を行っています。環境リスクマップとは、化学物質や廃棄物の保管場所、取扱う場所などを図面化したもので、事故発生リスクが高い場所を可視化し、環境リスクの低減に繋げています。

2022年度 2023年度 2024年度
製品含有規制物質事故件数(連結) 0件 0件 0件
事業所関連化学物質に起因する重大事故件数(連結) 0件 0件 0件