コンプライアンス
基本的な考え⽅
当社グループは、企業理念および経営姿勢に沿ったコンプライアンスの基本的な考え方として、「グループ行動規範」を制定しています。本規範は、役員および従業員が良識と責任ある行動をとるための拠り所であり、公正な経営を実現するうえで不可欠な判断基準です。私たちは、グループ行動規範に則り、正しい行動を主体的かつ積極的に実践していくことが重要であると考えています。こうした価値観を組織全体に浸透させるため、当社では定期的な周知と教育を継続して実施してきました。さらに2026年度は、コンプライアンス活動の強化に向けて、体制整備やプログラムの再構築を進め、社員一人ひとりが法令および社内規程を正しく理解し、自律的に判断・行動できる組織風土の形成を目指しています。
コンプライアンス推進体制
当社は、コンプライアンスを経営の重要課題の一つと位置付け、経営戦略に組み込み推進しています。これまで各本部や法人が個別に取り組んでいたコンプライアンス推進活動を、全社で連携し活動を強化する目的で、2025年度に「コンプライアンス推進委員会」を設置しました。本委員会は、専務執行役員COOを委員長とし、各機能本部の企画・統制・モニタリング部門の責任者で構成され、四半期ごとに開催しています。本委員会では、主に全社およびグループに共通する内部統制上のリスクの把握、重要なコンプライアンス施策の方針決定、インシデントの再発防止策、教育の強化などの重点テーマについて議論し、その内容は定期的に執行役員会へ報告されています。また、国内外のグループ会社にコンプライアンス推進責任者および推進リーダーを配置し、情報共有や各種施策の展開を通じて、グループ横断の取り組みを推進しています。
社内規程の整備
社内規程・マニュアル類の複雑化や不整合の解消に向け、全社的な規程整備プロジェクトを進めています。全約270件の規程の棚卸、5階層(理念/方針/グループ規程/個社規程/マニュアル・手順書)による体系再設計、運用ルールの標準化・簡素化等により、わかりやすく・守りやすく・運用しやすい仕組みの構築を推進しています。
コンプライアンスプログラム
グローバルで一貫性のあるコンプライアンス運営を実現するため、コンプライアンスプログラムの構築を進めています。プログラムの各項目に関係する部門の役割とプロセスを明確にし、今後の計画的な導入につなげていきます。
コンプライアンス基本規程の整備
社内規程整備、およびコンプライアンスプログラムの一環として、コンプライアンス基本規程および、個別規程の整備に取り組んでいます。
「グループ行動規範」に定める「公正な経営」の実践のため、競争法違反行為の未然防止の目的で「競争法遵守規程」を策定しました。また、贈収賄防止については、2026年2月に「アルプスアルパイングループ贈収賄防止方針」(以下、「本方針」といいます。)を定め、当社グループに適用される各国・地域の贈収賄に関わる法令等を遵守するとともに、事業活動の透明性と公正性を確保して、贈収賄の防止に取り組んでいます。本方針では、取引先等との間において贈収賄またはその疑いを招く行為(社会通念上の適切な範囲を超えた接待・贈答、その他の利益提供)の禁止、ファシリテーション・ペイメントの原則禁止、適切な会計処理などを定めており、本方針を当社グループ全体に展開し、教育・啓発活動を通じてその周知徹底と理解の浸透を図ります。また、贈収賄防止に関する法令等に違反する疑いのある事案を把握した場合には、速やかに事実関係を調査のうえ、事案に対する適切な措置および違反者に対する処分を講じるとともに、再発防止に努めます。
自己点検(CSA※運用)活動の統合と強化
リスクや課題を把握し、適切な対応を全社で徹底するために、内部統制における自己点検(CSA)活動の強化をはかります。これまで各部門で個別に実施していた自己点検を、網羅性と効率性の観点からCSAの枠組みを活用してリスク把握・対応・モニタリング・改善のサイクルに基づいた活動に統合し、ルールの遵守状況と運用の有効性をグローバルで確認し、是正・改善につなげる活動へと強化していきます。
※ CSA(Control Self-Assessment):業務担当者自身が業務上のリスクと、リスクに対する内部統制の有効性を評価し、継続的な改善につなげる仕組み
教育・啓発
役員・従業員を対象にした法令遵守・倫理行動に関する知識教育を継続的に実施しています。「グループ行動規範」に関する理解・意識の向上を目的に、国内外拠点および海外現地法人を含む子会社において毎年研修を行っています。本研修では、コンプライアンス(贈収賄防止や腐敗防止の禁止を含む)、人権、環境などの内容を「必須項目」として周知し、様々な場面に遭遇した際に社員が適切な判断ができるよう、日常から意識しておくべき注意点なども含めています。また今年度は当社の管理職を対象としたコンプライアンス研修プログラムを重点的に実施しました。部門長からメンバーに直接メッセージを伝えることでコンプライアンスに関する従業員の感度を高め、コンプライアンスに違反する行為の未然防止策や判断力の向上を図っています。
| 研修名 | グループ行動規範研修 | コンプライアンス研修 | 新任管理職研修 |
|---|---|---|---|
| 対象拠点 | 国内外拠点及び海外現地法人を含む子会社 | 当社国内拠点 | 当社国内拠点 |
| 対象者 | 社員(日本は派遣社員を含む) | 全管理職 | 新任管理職 |
| 教育項目 |
以下の内容を含む、「グループ行動規範」の項目
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| 実施頻度 | 1回/年 | 1回/年 | 管理職初回着任時に1回 |
| 教材言語 | 日・英・中の3カ国語 | 日本語 | 日本語 |
| 受講率 | 2025年度 99.1% | 2025年度 100% | 2025年度 100% |
インシデント管理と再発防止
発生したインシデントについては、原因を分析し、業務プロセスの見直しや規程の整備・教育・システム導入等の複数の観点から再発防止策を策定・実施しています。特に全社に共通する視点として、教育やコミュニケーションなど「ルール遵守意識の醸成と発揮」、属人化の排除やルールの適正化など「業務を正しく行う仕組みや環境整備」などの点に着目し、事例共有を通じて再発防止策の対策や学びを関連部門やグループ会社へ水平展開し、再発防止や類似インシデントの未然防止の徹底を図っています。
通報制度
当社は、不正や法令・社内規則違反の未然防止や早期発見・是正するため、内部通報窓口「倫理ホットライン」を設置しています。役員、社員に加え、派遣・契約社員、請負・業務委託者、退職後1年以内の方など幅広い方が利用でき、匿名での通報も受け付けています。また国内外の主要グループ会社にも同様の仕組みを整備しています。通報は電話・メール・書面等で受け付け、公益通報者保護法に基づき通報者の匿名性の確保と不利益取扱い禁止を徹底しています。
また、外部ステークホルダーからの苦情受付の仕組みとして、2023年4月に一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER※)にも加盟しています。
通報窓口は社内掲示や社内ポータルサイトで周知しており、2025年度の受付件数は26件でした。件数や内容の概要は通報者が特定されない形で定期的に取締役会および監査等委員会へ報告しています。
※JaCERは、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して非司法的な苦情処理プラットフォームである「対話救済プラットフォーム」を提供し、専門的な立場から会員企業の苦情処理の支援・推進を目指す組織です。