責任ある鉱物調達

責任ある鉱物調達の推進

当社では、基本方針に基づき、紛争地域や反社会的・非人道的行為の疑われる地域から産出される金、すず、タンタル、タングステン、コバルト、マイカ、ニッケル、リチウム、天然黒鉛、銅などを高リスク鉱物として、「OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に沿った評価を実施し、お取引先様と共に責任ある鉱物調達の推進を図っています。

責任ある鉱物調達基本方針

企業の社会的責任の観点から、児童労働等の人権侵害、環境破壊、
違法行為や不正等、反社会的・非人道的行為を助長するような調達活動は行わない。

OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス5ステップに沿った取り組み内容

[ステップ1]
強固な企業管理システムの構築
  • 「責任ある鉱物調達基本方針」を策定し、自社製品に含有する対象鉱物のCAHRAsにおけるAnnex Ⅱリスクの有無を管理する仕組みを構築しています。基本方針はウェブサイトや調査依頼の書面にてお取引先様へ周知しています。
  • 責任ある鉱物調達に関する取り組み状況及び課題については、四半期に一度開催されるサステナビリティ委員会にて経営トップと共有しています。
[ステップ2]
サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価
  • お取引先様に対し、サプライチェーン上の精錬所/精製所を特定するため、業界標準フォーマット(CMRT※2/EMRT※3)を使用し、毎年調査を行っています。
  • お取引先様には、高リスク鉱物の精錬所・精製所情報の提供、高リスク鉱物の紛争への加担や深刻な人権侵害が行われていないと認定された精錬所・精製所からの調達をお願いしています。
  • 調査では、3TG※5、コバルト、マイカ、ニッケル、リチウム、天然黒鉛、銅の含有確認、原産国の確認、精錬/精製所の特定を行っています。
  • お取引先様から収集した情報は、担当組織にて社内基準に基づいたリスク評価を行っています。
[ステップ3]
特定されたリスクに対処するための戦略の構築と実施
リスクが特定された場合には該当お取引先様へその内容を伝え、是正に向けた取り組みをお取引先様とともに進めています。
[ステップ4]
独立した第三者による精錬/精製業者のデューデリジェンス行為の監査を実施
当社は、「JEITA責任ある鉱物調達検討会」に加入し、その活動を通して精錬所・精製所のRMAP※4参加を働きかけるなど、業界レベルでの活動を行っています。
[ステップ5]
サプライチェーンのデューデリジェンスに関する年次報告
責任ある鉱物調達活動実績は統合報告書および当社ウェブサイトで開示しています。

2024年度の責任ある鉱物調達活動の実績および状況

鉱物 3TG※5 コバルト/マイカ
調査対象 対象期間に購入したすべての量産部材 対象期間に購入したすべての量産部材
前年に購入実績があった全てのお取引先様(グローバル約1,000社) 前年に購入実績があった全てのお取引先様(グローバル約1,000社)
回収状況 99.5% 92.3%
RMIが認証している精錬所の割合 90.8% 78.3%

(2025年4月10日時点)

2024年度は、前年度に購入実績があった全てのお取引先様を対象に、全製品における3TG※5の含有、原産国、精錬所についての調査を行いました。RMI※1から認定されていない精錬所が特定された場合は、改善に向けた適切な対応をお取引先様と協議しながら進めています。

※1 RMI (Responsible Minerals Initiative):紛争⾮関与鉱物など責任ある調達を企業と連携して促進する国際団体

※2 CMRT (Conflict Minerals Reporting Template):紛争鉱物(すず、タンタル、タングステン、金)報告テンプレート

※3 EMRT (Extended Minerals Reporting Template):拡張鉱物(コバルト/マイカ/リチウム/ニッケル/天然黒鉛/銅)報告テンプレート

※4 RMAP (Responsible Minerals Assurance Process):責任ある鉱物監査プロセス

※5 3TG:Tin(すず), Tantalum(タンタル), Tungsten(タングステン), Gold(⾦)の略称