精密加工技術

「美しい製品は良い部品から、良い部品は良い金型から」。アルプスアルパインのものづくりを支える精密加工技術

製造業において、なくてはならないのが金型を扱う精密加工技術です。「樹脂を流し込んで固める」「金属板を同じ形に切り抜く、曲げて形を作る」など同じ形状の部品を大量生産できる金型は、製造業にとっての要と言っても過言ではありません。

「軽薄短小」な製品がトレンドとなっている昨今、薄いもの小さいものを精度良く作るため、金型に求められる技術的水準はますます上がっています。
高品質で安定した生産を確立するためにアルプスアルパインでは、1948年の創業時以来、自社で精密な金型を作ることが不可欠と考え、金型製作を含めた一貫体制を築き上げてきました。

精密加工技術の粋を集め、美しい製品づくりに貢献

「美しい製品は良い部品から、良い部品は良い金型から」。アルプスアルパインの創業時から受け継がれるこの言葉は、「製品の精度を担っているのは金型である」という揺るぎない哲学から生まれたものです。精密加工の根幹となる金型には、自社で培った独自のノウハウを注ぎ込み、新製品の開発を担っています。

現在アルプスアルパインで自社開発する金型は、全部で四種類。
型の内部に樹脂を流し込んで成形するプラスチック用金型、金属素材を挟み込んで切断や曲げ加工を施すプレス金型、金属とプラスチックなど異素材の部品を一体化成型するインサート成形金型、そしてゴムやラバー系の素材を成型する金型です。
これらの金型を使うことにより短時間で同形状の部品を大量に生産することが可能となり、月産数百万といった規模の大量ロットで製品を供給することができます。

アルプスアルパインの金型開発の特徴として、新規性のある製品を創り出すために社内から生まれたクリエイティブなアイデアを実現できるよう、精密加工技術を活かした体制をとっています。

「軽薄短小」のニーズに応える精緻な金型技術

アルプスアルパインが製造した部品が多く使われているのが、スマートフォンなどの民生機器で用いられる小型で薄い製品です。より高性能かつ小型の機器を構成する部品も極小化が進んでいます。

部品を成形する金型も極小となるため樹脂を流し込むことも容易ではありません。アルプスアルパインの精密加工技術は、人の髪の毛より細い隙間に樹脂を流し込み、厳しい寸法公差をクリアした部品の量産を可能としています。また、金属プレスでは、金箔のような薄さの金属板も加工することができます。金属板に対し、プレス用金型で切断・曲げ加工を加え、極薄で寸分の狂いもない部品を安定して製造することができます。

技術者育成への取り組み、さらなる技術の進化

新たな挑戦を進めるにあたっては、次世代を担う技術者たちが中心となり開発を進められる環境を社内に構築し、技術者の育成を推進しています。国が定める技能検定に加え、金型部門の人財育成として社内技能検定制度を実施しています。

長期的な視野を持って、製品加工や量産品の安定供給を行うためには、自社開発の金型技術を絶えず進化させていくことが重要です。この変わらぬ理念が、品質保持と安定量産を支え、優位性を生み出すための原動力に他なりません。アルプスアルパインはこれからも「美しい製品は良い部品から、良い部品は良い金型から」にこだわり、ものづくりと人づくりを究めていきます。

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