生産技術

最先端の技術を柔軟に導入し高品質な製品の安定供給を実現

アルプスアルパインが、さまざまな製品を製造するなかで長年取り組んできたのが、生産工程の自動化・汎用化であり、それらを自社独自に構築する技術です。
生産設備の内製化も進めると同時に、生産ラインの改善に自社製AIも積極的に導入。さまざまな製品の量産体制を確立することで、お客様の要求に柔軟に対応できるQCD（クオリティー／コスト／デリバリー）を実現しています。

「自動化」と「工程設計」が支える安定生産

生産技術は、製品の量産化のための具体的なプロセスを構築し、そのために必要なロボットの製造・開発を行う技術です。アルプスアルパインでは、生産性と品質向上を目指し、「生産工程の自動化」と、「工程設計」に早くから注力してきました。

自動化とは、複雑な製造過程において、材料の加工・接合・組み立てといった複数の作業を、専用の生産設備やロボットを用いて完成させることを指します。
自動化のメリットとして挙げられるのが、高速かつ大量に高品質な製品を製造できる点です。
当社では、生産工程への活用領域の拡大が進んでいる多関節ロボットや高速作業を行うロボティクスをトータルに追求。人の手による作業を最小限に抑え、ロボットが行うことで、製造における精度と効率性を向上させることに成功しています。また、生産の大部分をロボットが行うため、人はより創造的な業務に携わっています。

工程設計では、効率的な生産を進めるための設計部門に対する生産部門からの製品アイデアの提案や、無駄のない製造プロセスの考案設計を行っています。あわせて部材や生産設備パラメータの検討、製造自体のプランニングも行ない、生産設備へのシステムインプットを揃える業務も担っています。
現在は人の手により行われている「材料や部品の生産ラインへの運搬」や「完成した製品の梱包・出荷」といった業務にも自動化の適用範囲を広げ、物流まで含めた生産工程の自動化に取り組んでいます。

自動化と工程設計の推進は、安定的な製品の供給、更にはコストの削減に繋がり、お客様のニーズに合ったより良い製品を提供するための重要な要素となっています。

自社製造の生産設備だからこそ可能な生産体制の最適化

自動化と工程設計を進めるうえでキーとなるのが生産設備の「内製化」です。内製化をすることで生産技術を社内に蓄積し、設備の改善を加速させ、柔軟な工程設計が可能になっています。各種コンポーネントからモジュールまで多岐に渡る製品群の製造を自動化するためには、それぞれに適した生産方法と生産設備の開発が欠かせません。
アルプスアルパインでは、生産設備を自社で開発することに早くから着手し、その時々の最新技術やトレンドをいち早く取り入れながらアップデートを重ねてきました。自前でものを作るという姿勢は、創業以来長きにわたって貫かれてきたもので、私たちの強みとなっています。
ロボットを活用する際には、内製する「競争領域」と市販ロボットを効果的に使う「協調領域」を組み合わせ、グローバルに展開。要となる工程は独自のノウハウを反映して競争力を高めながら、設備開発や生産準備のリードタイムの短縮を実現しています。

この内製化と共に注力しているのが、汎用自動化設備の開発・量産展開です。さまざまな製品群において生産設備を共有しています。製造部品のサイズや部材が近しいものに対しては、生産ラインの中で共通化できる生産設備を割り当てることで、効率性と生産性の向上を図り、よりスマートなものづくりに取り組んでいます。

ユニット・コンセプトは、生産機械の汎用化を進めるなかで生まれた生産システムです。自動化されたメイン工程/搬送/供給などの各工程の構成要素を分割し、製品ごとに専用部分と標準的部分を組み合わせ、コストを削減した最適な生産ラインを短期間に立ち上げることが可能です。

独自のノウハウを搭載したAIが、さらなるQCDの向上に貢献

ハードウェアとともに内製化を進めているのがソフトウェアです。これまでロボットに搭載していた画像処理に加え、従来人でなければ難しかった検査・計測といった領域にも自社製のAIを導入。画像処理では対応しきれなかった緻密な作業や画像判定などの良品/不良品の分類までAIで自動化し、生産性と品質の向上を追求しています。
またスマートファクトリー化にも取り組み、生産にまつわる各種データを設備から収集し、分析した結果を生産性の改善に繋げています。

次世代を担う人材の育成にも注力しており、AI技術やソフトウェアの活用に関する研修を進めています。基礎的な理論はもちろん、当社独自のノウハウや具体的事例も豊富に盛り込んだカリキュラムを作成し、フレキシブルに人材育成へと反映することで、自動化や工程設計のプロフェッショナルを育成しています。

アルプスアルパインは自動化や汎用化の追求、AIの活用を通して、製品を安定に生産できる仕組みを作りあげています。常に変動する社会や時代に対応し、積み上げてきたノウハウと新たな技術で高精度なものづくりを提供する。それがアルプスアルパインの生産技術なのです。