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新方式アクチュエータの開発およびサンプル対応を開始

アルプスアルパインが光学ズームの高機能化に対応、スマートフォン向けピエゾ方式アクチュエータのバラエティを追加

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2023年01月24日

 アルプスアルパイン株式会社(TOKYO 6770、代表取締役 社長執行役員:栗山 年弘、本社:東京都大田区、以下「アルプスアルパイン」)は、スマートフォン向けアクチュエータのバラエティとしてピエゾ方式アクチュエータの開発およびサンプル対応を開始しました。


【背景】

 アルプスアルパインは、スマートフォンのカメラに対する光学ズームの高機能化に伴い、スマートフォン向けアクチュエータの更なる売上拡大へつなげるために、従来のVCM方式、先に発表したSMA(Shaped Memory Alloy)方式に加えて、ピエゾ方式アクチュエータの開発およびサンプル対応を開始し、アクチュエータのバラエティの拡充を行います。


【ピエゾ方式について】

 圧電効果を利用した素子を使い、その素子の伸縮を制御することでレンズキャリアの移動させる推力を得るもので、VCM方式が数百ミクロンの移動距離に対して、ピエゾ方式は数㎜の移動距離の対応が可能。さらに、駆動源に電磁方式を用いない為、VCM方式の様なレンズキャリアの大型化に伴う電磁力の大きな磁石やコイルが不要となり、アクチュエータの小型化に貢献。


【ピエゾ方式の特長(利点)】

 ・レンズキャリアの移動距離がVCM方式と比較して、簡単な構造となっており、数センチ程度長く
  することが可能。
 ・推進力がSMA方式(当社VCM比の同一体積において推力10倍以上)よりも大きく、数グラムの推進
  力でも駆動することが可能。
 ・2群レンズを個別に動かす光学ズーム用の用途を想定し、潜望式アクチュエータの設計が容易とな
  る。
 ・SMA方式同様に磁気回路が無いため磁気干渉の課題がなく、マルチカメラやセット設計の自由度
  アップなどに貢献。
 ・一般的にピエゾ素子駆動は高電圧が必要となりますが、独自駆動方法にて3V駆動電圧での実現が
  可能となり、モバイル機器への搭載が容易。
 ・無通電時のレンズキャリア位置保持が可能となり、耐外部振動が高く、ドローンなどの用途にも
  対応することが可能。


【今後ついて】

 アルプスアルパインは、既に一部顧客に対しサンプル対応を実施。今後はスマートフォン以外にもドローン、監視カメラ、産業機器などの市場にも拡大する予定としており、2023年1月からサンプル対応を行うことが可能となります。