株主・投資家情報

トップメッセージ

CEO MESSAGE

ハードウェアとソフトウェアの融合に経営資源を結集し、革新的T型企業への進化を加速させていきます。

このたび、当社の代表取締役に就任した泉英男です。

1985年に旧アルプス電気に入社した私は、キャリアの大半を事業・技術畑で過ごしてきました。T型戦略を推進する中、ハードウェアとソフトウェアの融合やコア技術の融合を進めるとともに、改めて中長期的な未来を見据え、経営資源の最適配置と活用を図ることで、次代を担う価値ある事業や製品の創出に取り組んでいきます。

上半期の当社をとり巻く環境は、中国経済の減速や不安定な米中関係が長引く中、自動車分野では半導体不足による減産影響が緩和され生産が持ち直すなど、総じて緩やかな回復が継続いたしました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、原材料・エネルギー価格の高止まりなど世界的なインフレや各国の政策金利引き上げに伴う景気後退懸念など、先行き不透明な状態が継続しております。

こうした事業環境において、当社上半期の業績は、「コンポーネント事業」では円安が大きく寄与しアミューズメント向け製品や車載用タクトスイッチの採用拡大が加わる一方で、モバイルなどの民生機器がコロナ渦需要の反動により落ち込みが続いている影響で事業全体では減少となりました。「センサー・コミュニケーション事業」では車載向け通信デバイスや車載向けセンサーが堅調に推移しましたが、モバイル機器向けセンサーの顧客モデルの切り替えにより、事業全体では減少しました。「モジュール・システム事業」では、グローバル自動車生産の回復に伴う自動車部品の需要増加や、前第4四半期連結会計期間から販売を開始したインフォテインメントの新製品などの寄与により、増加しました。

部材調達難と価格高騰が数年続き、それに伴う価格転嫁やコストダウン抑制などお客様との厳しい交渉が続いています。EV車を筆頭に社会環境の目まぐるしい変化が続く混沌とした事業環境の今だからこそ、ぶれずにお客様に喜んでいただくこと、つまり当社を採用したいと感じられる会社にしたいと考えております。

その為に、対話を重視して、“Beyond Expectations”をモットーに期待値や予想を超える顧客価値創造を実現させながら、企業価値向上を目指していきます。

引き続き、「安定配当+業績連動」の考え方を重視し、事業の成長と共に株主の皆様への還元へ繋げられるよう努力していく所存です。

皆さまには、今後も変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

代表取締役 社長 CEO
泉 英男

CFO MESSAGE

「成長投資」「健全な財務」、「株主還元」の3つのバランスを取り、ROEの改善を更に強化し、企業価値向上を全社で進めてまいります。

2023年度は新社長が交替し新経営体制がスタートしました。前期までは新型コロナの影響による生産・販売計画の不透明な環境の中、部材価格の高騰と価格適正化を推し進めて参りました。今年もこの傾向は継続している一方、中国経済の低迷によるデジタル家電への影響等市場環境は継続して変動しております。このような環境下、特にモジュール・システム事業における収益の改善を強化して推進する一方で、企業価値向上の全社取組を新しい体制下で刷新して取組を強化することとしました。

「成長投資」「健全な財務」及び「株主還元」の3つのバランスを取る方針は大きく変わりませんが、株主資本コストを意識したROE指標の改善を更に強化致します。

その為にも利益の拡大においては「感動」「安全」「環境」領域での各セグメント毎の売り上げの拡大及び前述の原価改善をモジュール・システム事業で強化させます。

次に、成長投資及び資本効率の改善においては2025年からの第3次中期に向け事業の再整理を行い成長事業、改善事業、縮小事業等に再定義しROIC導入を進めることで事業ポートフォリオの変革を図ります。尚、この「成長投資」と並行して「人的投資」を今まで以上に強化しエンゲージメントの改善を図ります。

次に、「健全な財務」においてはネットキャッシュプラスに向けたCCC改善を進めるのと並行して自己資本比率等の最適化を図りキャッシュアロケーションの最適化を進めます。

株主還元においては、総還元性向35%を目安として機動的な株主還元施策を推進して参ります。

これらの施策をバランスよくスピーディに推し進めることで企業価値の継続的向上を全社で進めて参ります。

取締役 専務執行役員 CFO
小平 哲