株主・投資家情報

CFOメッセージ

資本効率の改善および企業価値の持続的向上により、
2028年3月までにROE10%を目指します。

2025年3月期中間期は、コンポーネント製品の売上が堅調に伸び、当社にとって過去最高の売上高となった一方で、車載市場向け製品は、当社顧客である自動車OEMの新車販売苦戦に伴い減速感が出ています。こうした状況下、アルプスアルパインは環境変化に強い事業構造の構築と、持続的な企業価値の向上を目指すべく、経営構造改革を進めております。主な取り組みは、ノンコア・不採算事業から撤退し、高付加価値製品への転換を図る「事業ポートフォリオ改革」と、2025年3月期中に300億円の効果を出す「コスト構造改革」です。上半期においては(株)アルプス物流に対する保有株式の一部売却や、パワーインダクタ事業の譲渡、ALPS ELECTRIC (MALAYSIA) 生産拠点集約をはじめ、おおむね計画通りに進捗いたしました。

これらの経営構造改革によりキャッシュを生む力を強化するとともに、戦略投資の実行と株主配当の増強を行います。戦略投資に関しては、企業成長の基盤となる人的資本において、ソフトウェア人材の採用・教育や、グローバルでの人材活用基盤構築に向けた投資を行います。事業においては、センサーなど成長性の高いコア技術に資本を集中させ、収益体質を強化します。株主還元に関しては、今年度より自己資本配当率(DOE)を導入した株主還元をスタートさせました。今後も、「成長投資」「健全な財務」「株主還元」の3つのバランスを維持するという資本政策のもと、株主資本コストを意識し、ROE改善を加速させる取り組みを進めてまいります。

また、経営資源の最適配分を進める上では、事業ごとの資本コストや資本収益性、企業価値向上への貢献状況を正確に把握し、「成長事業・改善事業・縮小事業」を判断する必要があります。これらを適正に検証・判断する為に、第3次中期経営計画期間からROIC経営をスタートさせるべく、現在準備を進めております。中長期での事業シナリオ及びキャッシュアロケーションを明確化し、着実に推進することで安定した収益体質を図り、2028年3月までにROE10%の達成を目指してまいります。

今後も、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役 専務執行役員 COO 兼 CFO
小平 哲

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