サステナビリティ

ガバナンス

 アルプスアルパインは、現代社会の一員として公正な経営を実現・実行していくための基盤の強化を目的に、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメント、情報セキュリティについて積極的な取り組みを行っています。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの考え方

 アルプスアルパイングループでは、コーポレート・ガバナンスの定義を、「企業価値を増大するため、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行、並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告、及び健全かつ効率的で透明性のある経営を実現する仕組みの構築・運用」としています。株主をはじめ、全てのステークホルダーの利益最大化が重要と考え、企業価値の最大化を図り、かつステークホルダー間の利益をバランス良く満たし、その利益を直接、間接的に還元することを基本としています。
 また、アルプスアルパインでは、株主、顧客、地域社会及び従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすと共に、企業として実効性のあるコーポレート・ガバナンスを実現するために「アルプスアルパイン株式会社 コーポレートガバナンス・ポリシー」を制定し、当社ウェブサイトにて公開しています。
 (https://www.alpsalpine.com/j/ir/governance.html)

コーポレート・ガバナンス体制

 アルプスアルパインは、会社法上の機関設計として監査等委員会設置会社を採用しています。業務執行者から独立した監査等委員会が、会計監査人や内部監査部門との緊密な連携の下、監査・監督機能を強化することで、一層のコーポレート・ガバナンスの強化と公正で透明性の高い経営の実現を図ります。


アルプスアルパイン コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会・執行役員会

 アルプスアルパインの取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)6名(うち社外取締役1名)及び監査等委員である取締役6名(うち社外取締役4名)で構成され、独立社外取締役が取締役会の3分の1以上を占めています。取締役会では、経営の基本方針や中短期経営計画を含む経営に関する重要事項の審議・決定を行うと共に、業務執行取締役への重要な業務執行の決定の委任を進め、職務執行状況の監査・監督を行う機関と位置付け、モニタリング機能の強化に努めています。
 当社は執行役員制度を導入しており、営業、技術、生産、資材、品質、管理等の機能ごとの責任者としてチーフオフィサーを設置し、取締役会の重要な業務執行の決定を委任された取締役が、チーフオフィサー及び担当執行役員に対して、当社並びに各子会社の業態や規模に応じた効率的な業務執行を行えるように指導・監督しています。また、機能別組織に加え、事業領域やビジネスユニット別に執行役員を置き、それぞれの機動力を高め各々の事業領域やビジネスユニットにおける最適化を図るため、執行役員会等において議論を行い、迅速かつ的確な意思決定及び業務執行を行っています。更に、中期経営計画の達成に向けて、アルプス電気とアルパインとの経営統合によるシナジー創出を更に加速・強化すべく、「統合シナジー担当(CIO:Chief Integration Synergy Officer)」を設置し、強力なリーダーシップの下、経営構造改革、海外拠点の改編、国内組織の改編、新規事業の仕込みと事業化加速及び機能最適化によるコスト削減に取り組みます。
 取締役会は月1回の定例開催に加え、必要に応じて臨時開催を行い、重要事項を全て付議し、十分な討議を経た上で決議を行います。決議事項については、取締役会規則・細則に基づき、法務、会計、税務及び経済合理性等について事前確認を行い、取締役会決議の適法性及び合理性を確保します。また、当社では、会社方針に基づき中短期の経営計画を作成し、取締役が出席する経営計画会議を年2回開催し、経営計画に関する審議と情報の共有化を図った後、取締役会の審議・決議を受ける体制になっています。これに従い、月次単位の業務遂行の進捗管理を行い、経営資源の最適活用を図るため、重要事項については取締役会規則・細則に基づき取締役会に付議した上で、業務執行を行っています。
 当社では、2013年に社外取締役を導入以降、監査等委員会設置会社への移行やコーポレートガバナンス・ポリシーの制定、退職慰労金の廃止を含む取締役報酬制度の改定、取締役会実効性評価の実施など、コーポレート・ガバナンスの改革を進めてきました。そして、2019年1月発足のアルプスアルパインでは、100年に一度と言われる自動車の技術革新などこれまでにない急激な環境変化に対応し、経営の機動性を更に高めるため、経営監督と業務執行を分離し、執行役員制度を導入しました。また、取締役人数をスリム化し、モニタリングを主軸とする取締役会にシフトするため、社外取締役を従来の3名から女性及び事業経営経験者を含む5名に増員し、社外取締役比率を上げて、より株主利益確保のために独立した客観的な視点を増やし、持続的成長と中長期的な価値創造に向けて取り組んでいきます。
 なお、2018年度の取締役会における各取締役の出席状況は以下の通りです。


出席回数/開催回数
取締役アルプス電気アルパインアルプスアルパイン
栗山 年弘7回/7回-5回/5回
米谷 信彦-10回/10回5回/5回
木本 隆7回/7回-5回/5回
遠藤 浩一-10回/10回5回/5回
氣賀 洋一郎7回/7回-5回/5回
木下 聡-7回/7回5回/5回
梅原 潤一7回/7回-5回/5回
前田 眞二-7回/7回5回/5回
飯田 隆7回/7回-5回/5回
長谷川 聡子-10回/10回4回/5回
中矢 一也7回/7回-5回/5回
東葭 葉子7回/7回-5回/5回
※社外取締役

取締役会の実効性評価
 アルプスアルパインは、株主、顧客、従業員並びに地域社会等のステークホルダーに対する責任を果たすと共に、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現するため、コーポレートガバナンス・ポリシーを定めています。これに基づいて、取締役会の機能の一層の向上を図ることを目的に、2018年度のアルプス電気取締役会についての実効性評価を行いましたので、以下の通り報告します。なお、アルパインの同年度取締役会実効性評価も実施し、当社との経営統合に係る活動を含む取締役会の実効性が確認されました。

2018年度 アルプス電気取締役会実効性評価結果の概要

  1. 分析・評価の方法
     取締役会メンバーに対し、取締役会の構成、運営、審議内容、取締役間のコミュニケーション、支援体制及びアルパインとの経営統合に関わるプロセス等の振り返りについて、設問票による記名式アンケートを行い、各々の所感を含む自己評価を実施しました。そしてこれらを社外取締役を含む監査等委員会及び管理担当取締役が分析、課題整理を行った後、取締役会において報告を行い、検証及び議論を行いました。
  2. 分析・評価結果の概要
     2018年度の取締役会は、取締役に初めて女性、事業経営経験者を加え、社外取締役への情報提供や研修等を充実させることにより、経営統合などの重要なテーマについて真摯に議論を行い、様々な課題に適切に対処しており、2013年に社外取締役を導入して以来、企業統治を前進させるために着実に取り組んでいることが確認されました。一方、取締役会資料の事前検討時間の確保、中長期的課題についての議論の充実、内部管理体制の構築・運用状況などについて、更なる向上を図るための具体的な意見・提案が寄せられ、取締役会で検証、議論しました。
  3. 今後の対応等
     今回の評価・意見を受けて、経営統合後の新体制の下、向上・改善に向けて取り組み、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的とした実効性あるコーポレート・ガバナンス構築に活かしていきます。

監査等委員会

 アルプスアルパインの監査等委員会は、社外監査等委員が過半数を占める体制により、業務執行者から独立した客観的な立場で適切に判断するように努めています。また、社内の重要な会議に出席すると共に、重要な情報の収集及び報告の受領等を日常的に行うため、常勤の監査等委員を選定しています。そして、事業経営経験者や法律の専門家である弁護士並びに会計の専門家である公認会計士として豊富な経験を持った社外監査等委員と、当社の事業に精通した社内監査等委員が高い実効性を持って監査を行うと共に、内部監査部門と連携を図り、取締役会やその他の重要な会議の場において、経営陣に対して意見を述べるよう努めています。更に、監査等委員会の職務の補助者を置くこととし、当該業務を担う使用人については取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保します。
 なお、当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、監査等委員6名と会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令が定める最低責任限度額としています。
 2018年度における監査等委員の監査等委員会の出席状況は下記の通りです。


出席回数/開催回数
監査等委員アルプス電気アルパインアルプスアルパイン
梅原 潤一7回/7回-3回/3回
前田 眞二-9回/9回3回/3回
飯田 隆11回/11回-3回/3回
長谷川 聡子-12回/13回2回/3回
中矢 一也7回/7回-3回/3回
東葭 葉子7回/7回-3回/3回
※社外取締役

社外取締役

 アルプスアルパインは、客観的な立場から事業経営、法律、会計の専門家として豊富な経験や幅広い見識に基づき、当社経営に対する助言と監督を行っていただくため、社外取締役を選任しています。社外取締役は、経営の適法性の確保に注力すると共に、全てのステークホルダーを念頭に置き、取締役会で積極的な意見交換や助言を行い、経営陣の選解任及び報酬の決定、会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督及びその他の取締役会の重要な意思決定を通じ、経営監督の強化に努めています。また、定期的に当社拠点を訪問し、情報収集を行うと共に、他の取締役、執行役員や従業員と情報・意見交換を行い、実効性のある監督に努めています。なお、社外取締役の選任については、当社の定める独立性基準を含む取締役候補者の選任基準に基づき判断しており、同意を得た上で全員を独立役員として指定し、株式会社東京証券取引所に独立役員として届け出ています。


氏名 選任の理由 重要な兼職の状況
木下 聡 国内外のグループ会社経営で培われた豊富な経験と幅広い知見を有しており、経営統合後の当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する適切な人材と判断したため
飯田 隆 弁護士として法曹界における豊富な経験と実績を基に当社の経営について的確な指導や助言をいただくため (株)島津製作所社外監査役
日本電信電話(株)社外監査役
中矢 一也 長年にわたり企業における業務執行経験者として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため
東葭 葉子 会計事務所における長年の会計監査経験と、公認会計士として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を当社の経営に反映していただくため
五味 祐子 長年にわたり弁護士として法律実務に携わると共に、政府関係機関の有識者委員等の歴任や他の企業の社外役員を務めており、専門的な知識に加え、幅広い見識を当社の経営に反映していただくため 日本瓦斯(株)社外監査役
(株)ローソン社外監査役

役員報酬の仕組み

 アルプスアルパインでは、短期及び中長期の業績との連動性を重視した報酬体系により、役員の企業業績及び株価向上に向けた行動を最大限に促進し、グループ全体の永続的な企業価値の向上を図ります。具体的には、以下のような報酬の構成としています。


報酬の額またはその算定方法の決定方針の開示内容

・報酬決定の方針
a)監査等委員以外の社内取締役の報酬
当社では、固定報酬、業績連動賞与、譲渡制限付株式で、監査等委員以外の社内取締役の報酬を構成しています。業績連動賞与は、単年度の業績(営業利益、当期純利益等)に応じて変動する仕組みとしています。譲渡制限付株式は、中長期の業績と連動する報酬として付与し、当社株式の株価上昇によるメリットのみならず、株価下落によるリスクまでも株主と共有する仕組みとしています。

b)社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬
当社では、社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみです。


報酬決定の手続き

 当社では、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は取締役会で、監査等委員である取締役は監査等委員会で報酬を決定しています。なお、社外取締役を含む任意の指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役会での決議に先立ち、報酬に関する諮問を行うこととしています。
 2018年度の当社取締役の報酬等の内容は以下の通りです。


2018年度の役員報酬

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の員数
(人)
基本報酬 賞与 ストック・
オプション
取締役(監査等委員を除く。) 385 257 72 55 14
(うち社外取締役) (2) (2) (-) (-) (1)
取締役(監査等委員) 64 64 9
(うち社外取締役) (33) (33) (-) (-) (6)
合計 449 321 72 55 23
(うち社外取締役) (35) (35) (-) (-) (7)
1. 取締役(監査等委員を除く。)の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
2. 2019年3月31日時点のアルプスアルパインにおける取締役(監査等委員を除く。)は6名(うち社外取締役1名)、取締役(監査等委員)6名(うち社外取締役4名)です。
3. 賞与には、2018年度における費用計上額を記載しています。

内部統制

アルプスアルパインは、創業の精神(社訓)をグループ経営の原点と位置付け、グループ経営規範(グループ経営規定、グループコンプライアンス憲章及びグループ環境憲章)を制定し、当社のグループ経営、コンプライアンス及び環境保全についての基本理念と行動指針を定め、当社及び当社子会社に展開します。また、当社及び当社グループ全体の業務を適正かつ効率的に遂行するため、会社法及び会社法施行規則に基づく内部統制システム体制(業務の適正を確保するための体制)の整備を行っています。なお、内部統制システムに関する基本方針及び当該体制の運用状況の概要は、当社コーポレート・ガバナンス報告書の「内部統制システム等に関する事項」をご参照ください。
https://www.alpsalpine.com/j/ir/governance.html


アルプスアルパイングループ内部統制模式図

社外取締役メッセージ

客観的な視点で物事を考察し、取締役会で意見を投げかけることで、アルプスアルパインの企業価値向上に貢献していきます。


社外取締役メッセージ 中矢 一也

社外取締役
監査等委員

中矢 一也

社外取締役としての役割と認識

 私は2018年6月にアルプス電気の社外取締役に就任し、アルパインとの経営統合を経て、2019年1月にアルプスアルパインの社外取締役となりました。この1年間、経営統合のクロージングや新会社であるアルプスアルパインの立ち上げに携わってきました。その中で社外取締役として心掛けたのは、取締役会で経営統合がもたらすメリットや今後のビジョンを議論する際、株主の視点を意識して物事を考察し、意見を投げかけることでした。昨今の外部環境の変化とアルプス電気・アルパイン両社の事業構造に鑑みれば、経営統合は適切なタイミングで実施されたと評価しており、株主からの賛同も得ることができたと認識しています。
 この1年間、株主の皆様からは対話を通じて様々なご意見をいただきました。企業の重要な社会的責任の一つは、将来のありたい姿とその実現に至る道筋をステークホルダーに対して誠実に説明することです。それらのベースとなる当社が創業以来受け継いできた社訓の精神は、近年重要性が高まっているESGの考え方そのものであり、当社の更なる企業価値向上には、この精神を体現し、継承し、同時にステークホルダーに伝えていくことが不可欠であると考えています。従って、社外取締役としての私の重要な役割は、ステークホルダーの期待に応えるために、当社が何をすべきかをより客観的に見極め、後押しすることだと考えています。


第1次中期経営計画と取締役会が果たすべき役割

 アルプスアルパインとしての最初の中期経営計画が2019年4月よりスタートしました。スマートフォンはコモディティ化が進み、自動車は100年に一度と言われる技術革新を迎え、それに伴い産業構造が大きく変化し始めています。技術革新は待ったなしで進展し、相次ぐ新規参入によって競争は激化しています。当社は急速に変化する事業環境を生き抜くために、経営統合によって新たな体制構築を推進しています。
 経営資源の配分においては、これまで以上に「選択と集中」の重要性が増しており、成長戦略や施策に関して、取締役会で更に議論を深めていく必要があります。経営環境が急速に変化する中、既存のビジネスモデルの強化はもちろん、新たな領域へのチャレンジや、M&Aによる非連続な成長シナリオも考えなくてはなりません。また、事業の優位性のみならず、会社との親和性や収益性、あるいは事業そのものの意義などについても取締役会が十分に議論し、社外取締役の意見も取り入れて意思決定を進めていくことが大事です。
 当社は2025年3月期に向けた中期目標「ITC101」を掲げていますが、先に述べた通り、この目標を達成するための非連続な成長手法としてM&Aの検討・活用を強化する必要があると考えています。他に類を見ない競争力ある技術や商品、サービスに加え、当社にない技術・チャネルやビジネスモデルを組み入れることで、ビジネスを大きく飛躍させることが可能となります。
 また、当社グループにおいては、グローバルで多様な人財が従事していますが、ダイバーシティの更なる推進も今後の課題です。価値観が大きく異なる人材が交わるダイバーシティこそがイノベーション創出の鍵であると言われているように、グローバルにビジネスを行っている当社グループにとっても、特定の地域や業界に精通した多様な人財を迎えることは有効です。加えて、ガバナンスを効かせ、マネジメントを強化し、世界中のステークホルダーに対して、企業活動の透明性をより高めていくことも、取締役会の重要な役割であると考えています。


アルプスアルパインへの期待

 変化スピードが著しく、将来を見通すことが困難な現代では、多くのセットメーカーが淘汰され、新たなリーダーが出現しています。過去からの延長線上で事業活動を行っていては、持続的に成長することが極めて難しい時代に突入しています。当社は顧客と連携し、製品をお使いいただくユーザーに新たな機能や利便性を提供することを得意としていますが、これまで以上にユーザーに寄り添い、マーケティングの強化や新たなビジネスモデルに積極的に挑戦することが求められています。挑戦を続けることで、新たな市場の中でも必ず優位なポジションを掴むことができるものと期待しています。