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2015年12月03日
低消費電力と低背を実現
オートフォーカス用カメラアクチュエータ バイダイレクションタイプ 「ATMC1Z9シリーズ」を開発、量産を開始
当社は、スマートフォンの13メガピクセル用カメラモジュールに向けて、低消費電力と低背を実現する、バイダイレクションタイプのオートフォーカス用カメラアクチュエータ※1「ATMC1Z9シリーズ」を開発、量産を開始しました。
世界最大の規模を誇る、中国のスマートフォン市場。数年前まで市場で大きな割合を占めていた“山寨機"と呼ばれる安価な低スペック端末に代わり、近年では大手の地場メーカーによるミドル/ハイスペック端末の普及が進んでいます。搭載OS等、ソフト面での性能が横並びとなるなか、端末の差別化を図る要素の一つとして、カメラの高性能化が挙げられます。
2015年現在、中国のスマートフォン市場では90%以上の機種にオートフォーカス機能が搭載されており、そのうち8メガピクセル向けのレンズ、及びカメラモジュールを搭載した機種は、約70%、13メガピクセル向けが約35%を占めると見られています※2。現地でのハイスペック化への志向は今後も進むと見られ、なかでも13メガピクセル向けが最大のボリュームゾーンになると予想されます。
そこで、当社では13メガピクセル向けに低消費電力と低背を実現した、オートフォーカス用カメラアクチュエータ「ATMC1Z9シリーズ」を開発、量産を開始しました。本製品は13メガピクセル向けでは業界初のバイダイレクションタイプのアクチュエータです。従来のプリロードタイプと比較し、約1/3程度の低消費電力化と高速フォーカスを実現。また8.5mm✕8.5mm✕2.8mmと業界最低背クラスを実現し、筐体の設計自由度とデザイン性に貢献します。
バイダイレクション方式は、レンズの原点位置をあらかじめ使用頻度の高い焦点距離(位置)に設定し、その地点からプラス電流およびマイナス電流に応じて両方向(バイダイレクション)へ移動させ、ピント調整を行なう方式です。レンズの移動距離が短くなるため、移動に伴う消費電力の低減、及び高速フォーカスを実現しています。
また、レンズの傾きを抑えたまま中空で静止、移動させるためには板バネの高精度なアッセンブルが必要であり、当社の金型設計技術、シミュレーション技術、自動機設計技術により、これを実現。レンズ駆動時の傾き角度は10分の1度以下に収めています。
※2:自社調べ
【主な特長】
- 13メガピクセル向け(レンズバレルサイズM6.5)に対応
- レンズ移動時の傾き角度が10分の1度以下という高精度を達成
- 自動機生産による安定品質、安定供給が可能
【主な用途】
スマートフォン用カメラモジュール
その他、カメラを搭載するオフィス機器等
【販売計画】
サンプル価格 | 1500円(税込) |
月産 | 400万個(2015年11月) |
開発 | 技術本部 古川工場(宮城県大崎市) |
生産 | 無錫アルプス(中国江蘇省無錫市) |
【主な仕様】
製品名 | ATMC1Z9シリーズ |
外形サイズ(W×D×H) | 8.5mm×8.5mm×2.8mm |
レンズバレルサイズ | M6.5 P0.25mm (ISOメートルねじ規格) |
ストローク(上向き姿勢時) | ≧+220μm(@+90mA) ≦-30μm(@-20mA) |